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Ⅰ はじめに

近時、いわゆる「デジタル経済」(Digital Economy)について、様々な課題が指摘されている。なかでも、GAFA等と称されるデジタル・プラットフォーム事業者が大きな競争力・プレゼンスを持つなかで、“無料”で提供されることが多いサービスのいわば対価、取引の対象とも捉えられる「個人データ」(personal data)の重要性が脚光を浴びているところである。¶001

本稿はそのような状況下で生じた、個人データ保護の観点と競争の観点が交叉した欧州の事案を検討し、今後の示唆を得ようとするものである。¶002