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事実の概要

A市の住民であるXら(原告・控訴人・上告人)は、土地区画整理事業の保留地をA市が随意契約の方法で時価より低額で売却したことが違法であると主張して、地方自治法(2002年の改正前のもの。以下「法」という)242条の2第1項4号に基づき、A市に代位して、売却当時の市長であったY(被告・被控訴人・被上告人)を被告として損害賠償を求める訴えを提起した。第1審(広島地判平成3・8・6判時1435号57頁)は、保留地の処分が住民訴訟の対象になることを認めた上で、本件売却処分を適法として請求を棄却したが、第2審(広島高判平成6・8・5判タ867号205頁)は、保留地は法242条1項にいう「財産」に当たらず、随意契約による保留地の処分は同条項にいう「契約の締結」に当たらないなどとして訴えを却下したため、Xらが上告した。¶001