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事実の概要

長崎県福江市において、ごみ処理施設の設置が緊急の課題となり、施設の建設工事請負契約の締結については、同市に設計能力がなく、各業者が独自のプラントを有しその設計が一定ではなく、他の地方公共団体のほとんどが随意契約によっていたこともあり、4社の業者から工事見積書を提出させた上で、予定価格・プラント内容によりその内1社を相手方として随意契約により契約の締結をしようと考えた。各社からの見積もりは、「A社4850万円、B社4880万円、C社5580万円、D社6380万円」であり、差異のある工事部分の費用が全体の工事費に占める割合はさほど高いものではなかった。Y(市長の職務代理者の市助役―被告・被控訴人・上告人。上告審係属中に死亡のため、相続人らが訴訟を承継)は、C社との間で、随意契約により、工事価格5500万円とする工事請負契約を締結した。住民X(原告・控訴人・被上告人)は、本件請負契約は随意契約によることができる場合として地方自治法施行令(昭和49年政令203号による改正前のもの)167条の2第1項の列挙する場合に該当せず違法であるとして、住民訴訟を提起した。¶001