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事実の概要

A市は新たに情報センター等を建設(以下「本件事業」という)するため、A市土地開発公社(以下「公社」という)に対し、C(土地区画整理組合)が所有する保留地(土地区画整理法96条1項)のうち所要の面積を有する土地(以下「本件土地」という)の先行取得(参照、楠井嘉行=水谷昌人・判自418号7頁)を依頼した。公社は平成16年9月29日に、本件土地を含む、Cが所有する保留地全部を1 m2当たり約6万3700円で取得したところ、本件土地が本件事業の用地に選定された。さらに、本件事業に必要な面積を確保するため、本件土地に隣接する土地(以下「本件隣接地」という)を取得することとされた。そこでA市は同年12月7日、公社、本件隣接地共有者との間で、市が本件隣接地を1 m2当たり約8万4700円で買い受け、公社が市に代わって売買代金を支払う旨の契約(以下「本件代行取得契約」という)を締結した。平成19年8月14日、A市は本件土地および本件隣接地について公社と売買契約(以下「本件売買契約」という)を締結したが、本件土地の価格は、公社が所有するCの保留地のうち売れ残っている土地の平成19年度期末簿価(参照、大脇成昭・平成28年度重判解〔ジュリ1505号〕39頁)から算出した1 m2当たり7万2400円に本件土地の面積を乗じて算出された。また本件隣接地の価格は、本件代行取得契約に約定された市の取得価格に公社が支払った諸経費や利息を加えて定められた。なお、本件隣接地の平成16年12月7日時点での正常価格(参照、不動産鑑定評価基準〔平成14年国土地第83号の2国土交通事務次官通知(平成26年改正)〕16頁)は、原審において、不動産鑑定士の鑑定に基づき、1 m2当たり6万6700円、本件土地の平成19年8月14日時点での正常価格は1 m2当たり5万3500円と評価された。また、本件土地および本件隣接地の平成16年12月7日から平成19年8月14日までの地価下落率は10.7%と評価された。¶001