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事実の概要

Y(沖縄県宜野座村―被告・被控訴人・被上告人)村議会は、X(株式会社―原告・控訴人・上告人)からの陳情を受けて、Xの製紙工場を村内に誘致し村有地をその敷地のためにXに譲渡する旨を議決し、Y村長は、Xにこの工場建設に全面的に協力することを言明した。そこで、Xは水利権設定に必要なY村長の同意をえるとともに、村有地の耕作者に明渡しの補償金を支払い、機械設備を発注し敷地の整地工事に着手した。Y村長は、Xの機械設備の発注に際し沖縄振興開発金融公庫に融資を促進するよう依頼した。ところが、Yは、村長選挙で上記誘致に反対する新村長が当選したためその施策を変更し、新村長がXに対する建築確認への不同意を沖縄県の建築主事に通知した。このため、Xは、上記工場の建設・操業を断念した。本件は、Xが、Yに対し上記工場の建設が不可能になったことにより損害を被ったとして民法709条または国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を請求したものである。¶001