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事実の概要

本件訴訟は、亡Aの運転する貨物自動車と、B社が運行の用に供しCが運転する貨物自動車との国道上での衝突によりAが死亡した事故につき、Aの妻子であるXら(原告・被控訴人・上告人)が、Y(国―被告・控訴人・被上告人)の道路管理の瑕疵が事故の原因であるとしてYに対し損害賠償を請求したものである。¶001

第1審で共同被告とされたBは、上記事故により生じたBのXらに対する損害賠償請求権を自働債権とする相殺の抗弁を提出し、第1審(大津地判昭和49・5・8判時768号87頁)は、その一部を容れて、Xらの取得した損害賠償請求権の額から既払分の自賠責保険金額および相殺の認められた金額を控除した残額についてXらのBに対する請求を認容する判決をし、この部分は確定した。ところが、XらとYとの間では上記相殺の主張がされなかったため、XらのYに対する請求の認容額は、その総額においてBに対する請求の認容額よりも上記相殺分だけ高額となった。¶002