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事実の概要
X(原告・控訴人・被上告人)は、養豚業を営む訴外A会社に対して交通事故に基づく損害賠償請求訴訟(以下、「前訴」という)を提起し、勝訴の確定判決を得た。ところが、当時、A会社は経営困難に陥り、多額の債務を抱えていたことから、同社の代表取締役Bを含む役員らは、債務の履行を事実上免れる意図のもと、Bの義兄Cの出資金や他からの融資により別会社としてY会社(被告・被控訴人・上告人)を、前訴の第1審判決言渡しの直後に設立した。Y会社は、A会社から営業設備一切と飼育中の豚を無償で譲り受け、A会社の従業員も引き継いで養豚業を営むことになり、A会社は有名無実の存在となった。¶001