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事実の概要

Aは、昭和34年ころから数回にわたって、Yに金員を貸し付けていたが、同38年6月9日に残元金合計が98万円に達したとして、これを一口の貸金として、翌月から毎月5日限り3万円ずつ分割返済する旨の準消費貸借を締結した。しかし、Yはその後も分割返済を履行しなかったところ、Aは、Xに債権譲渡をして誓約書を交付し、債権譲渡の数日後に死亡した。同年12月に、YはXの代理人に対して債権譲渡承諾の意思表示をし、翌年5月までに合計1万4000円を分割して弁済した。しかし、残金の支払がなされなかったため、XはYに対して96万6000円の支払を求めて提訴した。Yは、準消費貸借締結当時の旧債務は7万円であったと主張したが、その証明がないとして、第一審、控訴審ともに敗訴したため、上告した。なお、XはYの主張に対して、不知と答弁しただけで、旧債務の詳細については主張しなかった。¶001