FONT SIZE
S
M
L

事実の概要

X(原告・被控訴人・被上告人)らはその同族会社であるY有限会社(被告・控訴人・上告人)の経営が行き詰まったため、持分を訴外A夫婦に譲渡してY会社の経営から手を引くこととした。この持分譲渡は昭和47年5月28日に当事者間で合意され、A夫婦は持分譲渡を受けたことの代償としてY会社が当時負担していた債務の弁済等のため金500万円を出捐し、XらはY会社に対し取締役の辞任届を提出した。¶001

昭和47年5月28日のY会社の社員総会において前記社員持分譲渡の承認、A夫婦の新役員選任そしてこれに伴う定款中の記載の変更を内容とする決議がなされたとして、取締役変更等の登記がなされ、以後A夫婦が事実上Y会社の経営にあたっていた。しかし実際には、A夫婦の相談を受けた司法書士が上記社員総会の招集・開催がないにもかかわらず、書面等を作成し登記を完了したものであった。¶002