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事実の概要

Aは、借地上に建物を所有し、妻Y1(1審被告)らと居住していた。Aは、昭和54年2月24日に死亡し、その相続人は、Y1およびAの子であるY2・Y3(被告・控訴人・上告人)の3名であった。Y2およびY3はそれぞれ婚姻し、その後、他所で居住するようになったが、Y1は本件建物に居住していた。X信用金庫(原告・被控訴人・被上告人)は、平成5年10月29日、Y4およびY5(1審被告)を連帯債務者として300万円を貸し渡した。Y1は、同日、Xに対し、金銭消費貸借契約にかかるY4らの債務を連帯保証する旨を約した。本件建物の所有名義人は亡Aのままであったが、Y4らのXに対する上記債務に基づく支払が遅滞し、その期限の利益が失われたことから、Xは、平成7年10月11日、Y1に対し、上記連帯保証債務の履行および本件建物についての相続を原因とする所有権移転登記手続をするよう求めた。ところが、Y1・Y2・Y3は、平成8年1月5日頃、本件建物について、Y1はその持分を取得しないものとし、Y2およびY3が持分2分の1ずつの割合で所有権を取得する旨の遺産分割協議を成立させ、同日、その旨の所有権移転登記を経由した。Y1は、Xの従業員に対し、上記連帯保証債務を分割して長期間にわたって履行する旨を述べていたにもかかわらず、平成8年3月21日、自己破産の申立てをした。¶001