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事実の概要

X男(昭和11年生。原告)・A女夫婦には、実子である亡長男B(平成26年死亡)および二男Y(被告)のほか、養子として、C(Xの姪。平成27年12月縁組)およびD(亡Bの妻。平成28年1月縁組)がいる。Xは、甲土地、その隣地である乙土地(平成27年12月取得)、丙土地および丙土地上の丁建物の共有持分権を有している(以下、「本件各不動産」という)。Xは、乙土地の取得等のため、平成27年12月から平成28年11月にかけてE信用金庫から総額約4500万円を借り入れ、本件各不動産に根抵当権を設定するとともに、Yが連帯保証人となった。平成28年11月、XおよびYは、公証人Fの下で、Xを委託者兼受益者、Yを受託者とし、本件各不動産(甲・乙上に契約後に新たに建築する建物も含む)を信託財産とする本件信託契約を締結した。本件信託契約によれば、信託目的は、Yが信託財産の管理および処分(建物の建築も含む)を行い、Xの「生活・介護・療養・借入金返済・納税等に必要な資金を給付して……幸福な生活及び福祉を確保すること並びに資産の適正な管理・運用・保全・活用を通じて資産の円満な承継を実現すること」にあり(2条)、信託は、Xの死亡または信託財産の消滅により終了する(8条)、「Xは、Yとの合意により、本件信託の内容を変更し、若しくは本件信託を一部解除し、又は本件信託を終了することができ」(11条)、信託契約終了後の残余の信託財産は、Yに帰属するものとされている(15条)。Yは、平成29年2月、本件信託契約に基づき、本件各不動産につき所有権移転(丁については持分全部移転)および信託登記手続をした。¶001