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事実の概要

A(中華民国国籍)は、昭和41年3月に、同年5月30日を弁済期としてY(被告・控訴人・上告人)に対して、200万円を貸し渡した。Aは同年6月21日に死亡した。Aの妻X1および9名の子X2~X10(原告・被控訴人・被上告人)は、中華民国民法の定めるところに従い、Aの遺産を相続し、「公同共有」(日本民法の合有にあたる)している。そこでXらは、Yに対して、消費貸借契約に基づく200万円の返還と遅延損害金の支払を求めた。これに対して、Yは、X2~X10がAの相続人であることを争った。このうち、X4、X5、X8、X9については、X4・X5の真実の母はB、X8・X9の真実の母はCであったが、Aと妻X1の間の嫡出子としてAにより虚偽の嫡出子出生届が出されていた。また、X6、X7およびX10については、Aと架空の女性との間の非嫡出子として、A自身が届出人として非嫡出子出生届を出していた。そこで、父Aがした虚偽の嫡出子出生届および非嫡出子出生届に認知の効力が認められるかどうかが問題となった。第一審(東京地判昭和48・12・21民集〔参〕32巻1号118頁)および第二審(東京高判昭和50・12・9同民集〔参〕124頁)はともに、X4~X10の出生届に認知の効力を認めたため、Yが上告した。¶001