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事実の概要

X1(原告・控訴人・上告人)は、昭和49年12月11日、A病院で在胎31週、体重1508gの未熟児で出生し、同日、Y(被告・被控訴人・被上告人)が設置・運営するB病院小児科新生児センターに転医・入院した。X1担当の小児科医Cは、X1を保育器に収容し酸素濃度を30%以下になるように調整し、X1にチアノーゼ発作等が認められた場合には酸素濃度を上げ、X1の状態が改善すれば酸素濃度を下げる処置を昭和50年1月23日まで継続した。X1は、昭和49年12月27日に同病院眼科医Dから眼底検査を受け、DはX1の眼底に格別の変化はなく検診不要と診断し、昭和50年2月21日の退院まで眼底検査は実施されなかった。X1は同年3月28日に眼底検査を受け異常なしとされたが、同年4月9日、DはX1の眼底に異常を疑い、同月16日、E病院眼科で既に両眼とも未熟児網膜症瘢痕期3度と診断された。X1の現在の視力は両眼とも0.06である。B病院では、昭和48年10月頃から未熟児網膜症の発見と治療を意識して小児科と眼科とが連携し、眼底検査の結果、同症の発生が疑われる場合には、光凝固法が実施できるE病院に転医させていた。¶001