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事実の概要

Y1(被告)は、昭和45年5月初旬ころ、Y2(被告・控訴人・上告人)との間で、当時建築中であったY2所有家屋の冷暖房設備工事に関する請負契約を締結した。従来Y1は、規模の大きい工事を請け負ったときは、自らこれを施工することなく、他とさらに請負契約を締結して工事を完成させ、自らは仲介手数料を得ていた。本件の場合も、Y1は、Y2から請け負った冷暖房設備工事を、Y2の同意を得たうえでX(原告・被控訴人・被上告人)に請け負わせることにした。そこで、XとY1は、同月12日、Y2所有家屋の冷暖房設備工事(以下「本件工事」という)を、報酬額430万円(工事完成時現金払)とする請負契約(以下「本件請負契約」という)を締結し、Y1のXに負担すべき報酬支払債務についてY2が連帯保証した(以下「本件保証契約」という)。Xは、同年11月中旬ころまでに、本件工事のうち配管、放熱器等の設置工事をすませ、本件工事はボイラーとチラー(冷水機)の据付工事を残すだけとなった。ところが、Y2が、ボイラーとチラーを据え付けることになっていた地下室の防水工事を行う必要から上記据付工事を拒み、XとY1からの再三にわたる要求にもかかわらず、上記防水工事をせずにXの工事の進捗を阻んだため、Xは本件工事を完成させることができなかった。¶001