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事実の概要

X(原告・控訴人・被上告人)は、Aの紹介でY信用金庫(被告・被控訴人・上告人)に(記名式の)定期預金をしたが、申込手続をAに依頼し、届出印は約1週間、定期預金証書はずっとAに預けたままであった。後日、Aは、Xの替え玉としてBを連れてYを訪れ、定期預金を担保とする貸付けを申し込んだところ、Yは、届出印と同一の印影のある申込書類および預金証書を確認し、Xと名乗るBをX本人と誤信して、貸付けを実行した。その後、Xは、Yに問い合わせてこの事実を知り、自分は関与していない旨を述べたが、Yは、Xに対して貸付金と定期預金とを相殺する旨の通知を行った。そこで、Xは、相殺は認められないとして、Yに対して定期預金の返還を請求した。¶001