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事実の概要

本件訴訟は、オートローン詐欺を契機として、被害者である信販会社A(訴外)に対し損害賠償債務を負った一方加害者X(原告・控訴人・上告人)と他方加害者Y(被告・被控訴人・被上告人)の間における求償金に関わる。Yの従業員B(訴外)は新車の販売業務に従事していたが、虚偽の販売実績を計上したことで架空取引の販売代金を穴埋めする必要に迫られており、自動車販売業を営むXに協力を求めた。それは、XがAとの間で基本契約(オートローン制度取扱契約)を締結し、顧客のためにローン契約の締結を仲介していたからである。XがBの協力依頼に応じたことで、昭和63年4月から平成元年10月までの間に、Aと仮装の買主33名の間で架空のオートローン契約が締結され、BはXを経由してAから3303万円の立替金を取得している。この詐欺事件により、XとBはAに対し共同不法行為責任を負い、またYは使用者責任を負うことになった(Xについては、不法行為責任と債務不履行責任が競合している)。XとBの責任割合は4対6であり、それはXとYの間での負担割合ともなる。¶001