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事実の概要
X銀行(原告・被控訴人・被上告人)は、昭和60年9月27日、Aに対する債権を担保するため、A所有の不動産(本件建物)について極度額5000万円の根抵当権(本件根抵当権)の設定を受けた。本件根抵当権は同日に登記された。¶001
Y(被告・控訴人・上告人)は、昭和60年11月14日、Aとの間で、本件建物をYが賃借する旨の契約を締結し、Aに対して保証金3150万円を預託した。平成9年2月3日、AとYは、この賃貸借契約を同年8月31日限りで解消し、同年9月1日以降あらためて本件建物について賃貸借契約を締結することとした。その際、新たな賃貸借契約につき保証金を330万円とすること、従前の賃貸借契約における保証金の一部をこれに充当すること、保証金の残額2820万円は同年8月31日までにAがYに返還することが約された。¶002