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事実の概要

Aは、昭和15年、不動産会社から宅地(以下、「本件土地」と呼ぶ)および宅地上建物を購入し、所有権を取得したが、本件土地の登記名義は、Aの家業を継いでいる次男Y(被告=反訴原告・被控訴人=控訴人・上告人)とした。昭和20年の戦災により同建物が焼失したので、Aは、本件土地上に建物(以下、「本件建物」と呼ぶ)を築造し、A名義で保存登記をなした。本件建物には、当初、Aおよびその妻X1(原告=反訴被告・控訴人=被控訴人・被上告人)とY夫婦らが同居していたが、昭和25年頃、Aは、X1とともに転居し、Y夫婦を本件建物に居住させることとした。後に、Yは昭和27年8月からAの存命中月2万円ずつの仕送りをすること、Aは本件土地・本件建物をYに譲渡し、他の者から異議を述べさせないことを互いに約する契約をなした。しかし、Yは仕送りを数か月分支給したのみで、Aの催告にもかかわらず、その後の支払を滞ったので、Aにより、同契約は解除された。Aは、Yを被告として訴えを提起した。1審係属中にAが死亡し、妻X1、子X2~X8(原告=反訴被告・控訴人=被控訴人・被上告人)およびYが共同相続人となったので、X1~X8(以下、「Xら」とする)が原告の地位を承継し、Yに対して、本件土地につき共有権取得の登記手続および本件建物につき明渡しを請求した。¶001