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 事実の概要 

東京拘置所に未決拘禁者として収容されていたX(原告・控訴人・上告人)は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(以下、判旨では「行政機関個人情報保護法」、解説では「行個法」という)12条1項に基づき、東京矯正管区長に対して、収容中にXが受けた診療に関する診療録に記録されている保有個人情報の開示を請求したところ、この情報は同法45条1項所定の保有個人情報に当たり、開示請求の対象から除外されているとして、その全部を開示しない旨の決定を受けたことから、国を相手に、この決定の取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づき慰謝料等の支払を求めて訴えを提起した。第一審(東京地判平成31・3・14民集75巻7号3085頁参照)、控訴審(東京高判令和元・11・20同民集3104頁参照)ともに請求棄却。Xから上告受理申立て。¶001