Ⅰ.はじめに

特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律(令和3年法律第74号。以下「本法律」という)は、石綿にさらされる建設業務に関する国の規制権限不行使等に係る一連の国家賠償請求訴訟を背景に、議員立法として提出され、制定されたものである。

国家賠償請求訴訟を契機とした給付立法(以下「国賠訴訟関連給付立法」という)は、2001年に「ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律」が制定されて耳目を集めて以来、いくつもの類似の法律が制定されてきており、最近の立法の一つの傾向となった観がある。本法律も、その流れに位置付けられるものである。