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事実

本件は、強制わいせつ等の罪により第1審で有罪判決を受けた被告人が、強制わいせつ罪(以下「本件」という)に関し、「刑法の一部を改正する法律」(平成29年法律第72号。平成29年6月16日成立、同月23日公布、同年7月13日施行。以下「本法」という)附則2条2項(以下「本規定」ということがある)の憲法39条適合性を争った事案である。¶001

強制わいせつ罪は、従前、親告罪とされていたが、本法により強姦罪(強制性交等罪に改正)等他の性犯罪と共に非親告罪とされた。本規定は、経過措置として、本法により非親告罪化された罪であって本法施行前に犯したものについても、本法施行後は、原則として非親告罪として扱うことを規定する(以下、便宜上、このような取扱いを「遡及的適用」などということがある)。本件は、本法施行前の犯行であるが、本法施行後に起訴され、本規定により非親告罪として扱われることとなった。¶002