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有斐閣法律用語辞典第5版
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事実の概要
東京都荒川区でプレス加工業を営むX(被告人・上告申立人)は、昭和40年分の所得税の確定申告書を提出し、申告に係る税額を納付した。荒川税務署は、これについて過少申告の疑いがあり、調査の必要があるとして、昭和41年8月から9月にかけて3回、職員をX方に派遣したが、いずれもXらとの押問答になって、調査の目的を遂げることができなかった。そこで、同税務署の2名の職員は、数日後に再びX方を訪れ、Xらに対し、所得税法(平成23年法律114号による改正前のもの。以下同じ)234条(現在の国税通則法74条の2に相当)の質問検査権に基づいて調査することおよび調査に応じないと罰則にふれることを告げたうえ、帳簿書類を見せてほしい、得意先、仕入先の住所氏名を言ってほしい、工場内を見せてほしい旨を述べたが、Xらは、「何度話しても同じだ。もう帰ってくれ」、「生活の保障がない限り答えられない」等と述べて、これを拒否した。この過程で、Xが職員の身体を押すことがあったが、刑法上の暴行に当たるほどの行動はなかった。Xは、この日の不答弁と検査拒否が所得税法242条8号(現在の国税通則法128条2号に相当)の罪に該当するとして起訴された。¶001
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中原茂樹「判批」租税判例百選〔第8版〕(別冊ジュリスト276号)194頁(YOL-B0276194)