事実の概要
内国法人X(原告・控訴人・上告人)は、情報処理サービス業等を営む株式会社である。Xは、平成21年2月24日にA社からB社の発行済株式全部を譲り受けた(以下「本件買収」という)後、同年3月30日、Xを合併法人、B社を被合併法人とする吸収合併(以下「本件合併」という)を行った。B社は、平成17年2月A社が英国企業からその発行済株式全部を取得したものであり、情報通信事業用施設の保守等を営んでいたが、同年5月通信関連事業の売却後、データセンター事業に特化していた。B社は平成14年3月期から平成18年3月期まで欠損金額が発生し、平成19年3月期以降その未処理欠損金額を使い切るにはB社の利益では相当期間が必要と見込まれた。本件で問題となったのは、上記未処理欠損金額のうち平成15年3月期から平成18年3月期までに発生した約542億円(以下「本件欠損金額」という)である。本件合併は、法人税法(平成22年法律6号による改正前のもの。以下「法」という)2条12号の8イのもとでの適格合併であり、法57条3項が定める特定資本関係が生じてから5年以内に行われたから、XがB社の本件欠損金額を引き継ぐためには、法人税法施行令(平成22年政令51号による改正前のもの。以下「施行令」という)112条7項のみなし共同事業要件を充足する必要があった。同要件のうち事業規模要件の充足は不可能であったことから、特定役員引継要件の充足のため本件合併から約3か月前の平成20年12月26日、A社の取締役でありXの代表取締役社長でもあった訴外Cが、B社副社長に就任した(以下「本件副社長就任」という)。Xは、平成21年3月期に係る確定申告書上、法57条2項によりB社の本件欠損金額をXの欠損金額とみなし、同条1項に基づき損金の額に算入した。¶001