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事実の概要

平成12年3月31日以前の贈与につき、受贈者が日本に住所を有さない場合、国外財産(相税10条)に日本の贈与税は課せられなかった(当時の1条の2。改正は後述)。受贈者が日本に住所を有する場合、無制限納税義務者として財産所在地を問わず贈与税が課せられていた。贈与税のない香港等に移住し国外財産を受贈することで日本の贈与税を回避する方法が紹介されていた。¶001

X(原告・被控訴人・上告人)は、消費者金融業を営むC社の代表取締役Aおよびその妻Bの間の長男である。Xは、平成8年6月、C社の取締役営業統轄本部長に就任した。平成9年5月、C社は、Aの提案に基づき香港子会社設立を決議した。その後C社の方針は、香港子会社設立から現地法人買収に変わった。Xは、平成9年6月29日に香港に出国し、平成12年12月17日に業務を放棄して失踪した(この約3年半の期間を以下「本件期間」という)。本件期間中、XはC社のほか2つの香港現地法人の取締役業務に従事し、うち、香港における業務従事日数は合計168日であった。Xは、月1回のC社取締役会の多くに出席したほか、日本でのその他の業務にも出席した。本件期間中、Xの香港滞在日数割合は約65.8%、日本滞在日数割合は約26.2%である。¶002