事実の概要
X(原告・控訴人・被上告人)は、訴外Aから脅迫を受け、X名義で自動車ローンを組んで自動車(以下「本件自動車」という)を購入し、これをAに貸与して引き渡した。その後Xは、Aを被告として、本件自動車等の引渡しおよび貸金の支払を求める訴えを提起し、請求認容の確定判決を得て、同判決を債務名義として動産執行を申し立てたが、執行不能により終了した。Xは、本件自動車に係る自動車税の納税地を管轄する愛知県豊田加茂県税事務所長Bに対し、本件自動車をAに引き渡して以降、Xは本件自動車を占有しておらず、本件自動車の所在も不明であるなどとして、愛知県県税条例(昭和25年愛知県条例24号。以下「本件条例」という)72条が規定する自動車税の減免を申請した(以下「本件申請」という)。同条は、「道府県知事は、天災その他特別の事情がある場合において自動車税の減免を必要とすると認める者に限り、当該道府県の条例の定めるところにより、自動車税を減免することができる」と規定した地方税法162条(当時。令和8年法律2号による改正後の164条に相当)を受けて、「知事は、天災その他特別の事情により被害を受けた者のうち、必要があると認めるものに対し、自動車税を減免することができる」と規定していた。Bは、Xの申請は本件条例72条が規定する減免の要件に該当しないことを理由として、上記申請を却下する旨の処分(以下「本件処分」という)をした。なお、本件申請から本件処分の間に、本件自動車は名古屋市内の路上に放置された状態で発見され、本件処分後、廃車手続がされている。¶001