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事実の概要

戦後アメリカ統治下にあった沖縄の返還交渉が行われていた1971年、毎日新聞男性記者Xは、外務省女性事務官Aとの間で肉体関係を持ったうえで、上記交渉に関する書類の提供を依頼した。これを受け、Aは秘密指定された3通の電信文(以下「本件文書」という)のコピーを提供した。Xは、本件文書に基づき、米側が支払うはずの軍用地復元補償費400万ドルを日本側が肩代わりする密約の存在を示唆する新聞記事を執筆した。さらに、Xから本件文書を入手した国会議員Bは、国会において密約の有無について政府を追及した。このことからAによる本件文書の持ち出しが明らかとなったため、Aは国家公務員法(以下「国公法」という)109条12号・100条1項の秘密漏示罪で、Xは同法111条の秘密漏示そそのかし罪で起訴された。¶001