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事実の概要

アメリカ国籍を有し同国で弁護士資格を有するX(ローレンス・レペタ―原告・控訴人・上告人)は、日本の証券市場の法的規制の研究を目的として来日し、東京地裁で株投機事件である「誠備グループ」事件(所得税法違反事件)の公判を傍聴した。担当裁判官は、傍聴人に対してメモを一般的に禁止していたので、Xは、各公判期日に先立ち許可を求めたが、裁判長は不許可とした。他方、本件裁判長は司法記者クラブ所属の報道機関の記者に対しては、各公判期日においてメモを取ることを許可していた。Xが不許可措置を不服として、国(被告・被控訴人・被上告人)に対して国家賠償法に基づく損害賠償訴訟を提起したのが本件である。第1審(東京地判1987〔昭和62〕・2・12民集43巻2号〔参〕145頁)および第2審(東京高判1987〔昭和62〕・12・25同民集〔参〕156頁)はともにXの主張を退けたので、Xは上告した。¶001