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事実の概要

(1)

X(原告・被控訴人・上告人)がアメリカ合衆国ほか複数の国の商社に8ミリフィルム、雑誌、書籍等を発注したところ、昭和49(1974)年3月から4月にかけてX宛の郵便物7通が札幌中央郵便局に到着した。税関における検査の結果、当該郵便物中に「男女の性交行為が撮影されており、性器、陰毛等肉体の特定部分が明瞭かつ判然としている」8ミリ映画フィルム等が含まれていることが判明した。このため、Y1(函館税関札幌税関支署長―被告・控訴人・被上告人)は、関税定率法21条3項(以下、「定率法」という。現行関税法69条の11第3項)に基づき、同年5月Xに対し、本件物件が定率法21条1項3号(現行関税法69条の11第1項7号)に規定する輸入禁制品、すなわち「公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品」(以下、「3号物件」という)に該当する旨通知した。これを不服としたXは同月、定率法21条4項(現行関税法89条)に基づき、Y2(函館税関長―被告・控訴人・被上告人)に異議を申し出た。Y2は同年11月申出を棄却する決定をした。本件は、上記の通知および異議申出棄却決定の取消請求訴訟である。¶001