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事実の概要

（1）

男女の性描写が内容の大部分を占める擬古文体の金阜山人戯作「四畳半襖の下張」（永井荷風の作と言われる）を雑誌『面白半分』1972年7月号に掲載し販売したところ、当時同誌の編集長を務めていた直木賞作家（野坂昭如）と同誌の出版社社長が、刑法175条違反で起訴された（なお、「四畳半襖の下張」は現在、丸谷才一編『作家の証言 四畳半襖の下張裁判〔完全版〕』［2023］などに再録・公刊されている）。¶001