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事実の概要

被告人Xは、東京都千代田区にある出版業株式会社K書店の社長として出版販売等一切の業務を統括しているものであるが、英国の作家D. H.ロレンスの長編小説『チャタレイ夫人の恋人』の翻訳出版を企図した。もう一人の被告人Yは、小説家・文芸評論家であり、当時大学教員でもあった。Xは、Yに前記小説の翻訳を依頼しその日本語訳を得たうえで、その内容に性的描写記述のあることを知悉しながらもこれを上巻、下巻に分冊して出版し、昭和25(1950)年4月中旬頃より、同年6月下旬までの間に前記会社本店等において日本出版販売株式会社等に対し上巻約8万冊、下巻約7万冊を売り渡した。¶001