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事実の概要

昭和25年、朝鮮戦争勃発を機に、日本政府はGHQの指令を受けて警察予備隊を創設した(本判決の1週間後に保安隊へと名称を変え、その後自衛隊となる)。野党は、組織、編成および訓練等の点で軍の形を備えており、憲法9条に違反すると批判したが、政府は警察力の強化や国内の治安維持を目的とする組織であると説き、両者の主張は平行線を辿った。そこで、当時日本社会党委員長であったX(鈴木茂三郎―原告)が、昭和26年度以降Y(国―被告)のなした警察予備隊の設置ならびに維持に関する一切の行為の無効確認を求めて最高裁に直接訴えを提起した。Xは、警察予備隊が「戦力」に該当するという実体論とともに、想定される手続上の疑義について、以下のように主張した。¶001