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事実の概要

公職選挙法(以下「公選法」という)は、142条で法定ビラ以外の文書等の頒布を禁止し、さらに146条1項で「第142条……の禁止を免れる行為」として「公職の候補者の氏名若しくはシンボル・マーク、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布……すること」を禁止し、この違反者には罰則が科されている(243条〔現・1項〕5号)。¶001

ある労働組合の書記長(被告人)が、1952(昭和27)年10月1日施行の衆議院議員総選挙に際し選挙運動期間中に、労組が2名の候補者の推薦を決定したという記事を掲載した労組機関紙を組合員らに配布した。これが公選法146条1項に違反するとして起訴された。¶002