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事実の概要
X(原告・被控訴人・被上告人)(昭和50〔1975〕年10月生まれ)は、平成6(1994)年9月から10月にかけて他の少年らと共謀の上で連続して犯した殺人・強盗殺人等の事件により、起訴されて刑事裁判を受けている刑事被告人であり、Y(被告・控訴人・上告人)は、図書および雑誌の出版等を目的とする株式会社であり、週刊誌を発行している。Yは、Xが当時の成人年齢(20歳)に達した後、第1審の審理係属中である平成9(1997)年発売の同誌上に、「『少年犯』残虐」「法廷メモ独占公開」などという表題の下に、事件の被害者両親の思いと法廷傍聴記等を中心にした記事(以下「本件記事」という)を掲載したが、その中に、Xについて、仮名を用いて、法廷での様子、犯行態様の一部、経歴や交友関係等を記載した部分がある。これに対してXは、名誉毀損およびプライバシー侵害を理由に不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起した。¶001