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事実の概要
(1)
少年は、昭和50年9月17日、詐欺保護事件により中等少年院送致の決定を受け(決定時17歳8か月)、少年院に収容されたが、在院中、事故や反則はないものの仮退院申請が3度留保されるなど生活態度は良好とはいえず、内省を深めるには至っていないという評価であった。¶001
(2)
少年は、昭和52年2月1日に仮退院となり、保護観察に付された。ところが、仮退院後に住込稼働し始めた運輸会社にて早々に無断欠勤を繰り返したほか、就業先所長から借金を重ねて遊興に耽り、同年3月1日には勤務先寮を飛び出し、途中、保護司の説得により一旦は職場復帰したものの同月8日には再び出奔し、4月4日に警察職員に補導されるまで素行不良者や暴力団組員の許に身を寄せて都内の新宿などで無為徒食の生活を続けた。また、この間、本件恐喝未遂等保護事件の非行事実にあたる中学校の後輩に対する理髪代金相当の現金を喝取するも遂げなかった恐喝未遂行為および理髪店員から借り受けた自転車を乗り捨てた横領行為を敢行したほか、パーマ用理髪代金、診療代金、借金を踏み倒すなどの社会不適応行動を重ねた。そのため、地方更生保護委員会は、4月14日、これらの事実が遵守事項違反にあたるとして家庭裁判所に戻し収容の申請をした(本件戻し収容申請事件)。¶002