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有斐閣法律用語辞典第5版
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事実の概要
特殊学級(現在の特別支援学級)に在籍する15歳の少年は、27件の窃盗の被疑事実で原審家裁に送致されたが、同裁判所は、そのうちの20件について証拠不十分で非行なしとし、残り7件を非行事実として認定した。¶001
そのうえで、同裁判所は、少年の非行性はその著しい盗癖にあり、これは先天性・後天性の要因による知的能力の低下が少年の性格面で社会性の未分化を招き、健全な道徳感情、罪障感の涵養を遅らせ、欲望のままに短絡的に現金盗を重ね癖化させていったものと認められる、少年の劣等感情がさらに盗癖を深める傾向にあり、少年を在宅のまま教化改善することは困難だとして、医療少年院に送致する旨判示した。この判断は、上記20件の「非行なしの事実も要保護性認定の資料として考慮する」旨明言してなされたものであった。¶002
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三島聡「判批」少年法判例百選〔第2版〕(別冊ジュリスト270号)102頁(YOLJ-B0270102)