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事実の概要
X(原告。当時少年)は、家庭裁判所において試験観察決定および補導委託決定(身柄付き。委託先はY1〔被告〕が責任者を務めるA会)を受けた。そして、Xは補導委託開始後、A会の施設内において、他の少年らから1日のうちに2回の集団暴行を受け、重傷を負った。そこで、Xは、Y1およびY2(国―被告)に対する損害賠償請求訴訟を提起し、Y1の個人責任のほか、Y2の国家賠償責任を追及した。Xは、Y1の責任を追及する中で、Y1は少年らによる暴行事件の発生を未然に防止すべき注意義務を負っていたが、これを怠った旨主張した。また、Y2の責任を追及する中で、家庭裁判所の担当調査官や裁判官に補導委託先の選定や指導監督に関する過失がある旨主張した。そのほか、予備的主張として、Y1が国家賠償法1条1項にいう「公務員」に該当することを前提とした上で、Y2にはY1の過失に基づく責任がある旨も主張した。¶001