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本件では、検察官から訴因変更の許可の請求を受けた裁判所は、起訴状記載の訴因につき有罪判決が可能な場合でも、公訴事実の同一性を害しない限り、これを許可しなければならないかが問題となった。

被告人に対する本件起訴状には、売春婦A、Bに関する管理売春(売春12条。本件当時の法定刑は10年以下の懲役および30万円以下の罰金)の訴因が記載されていたが、検察官は、第5回公判において、売春婦Bに関する売春周旋(同6条1項。本件当時の法定刑は2年以下の懲役または5万円以下の罰金)の訴因への訴因変更の許可を請求した。第1審は、これを許可したうえで、新訴因について懲役10月の有罪判決を言い渡したが、控訴審は、変更前の管理売春の訴因につき証明は十分であったとしたうえで、裁判所としては、実体的真実を発見する職責上からも、本件の訴因罰条変更は、公訴事実の同一性を害するものでなくとも、許可すべきではなかったとして、第1審判決を破棄した。これに対し、最高裁は、次のように判示して、第1審が行った訴因変更許可の適法性を肯認した。

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