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「住居、書類及び所持品」の「侵入、捜索及び押収」に関する令状主義を定める憲法35条は、「第33条の場合」をその例外としている。刑訴法は、これを受けて、「被疑者を逮捕する場合において」必要のあるときは、「逮捕の現場で」令状によらない捜索・差押え・検証を行うことを認めている(220条1項2号・同条3項)。本判決は、逮捕に伴う捜索・差押え・検証の時間的限界を明らかにしたものである。

麻薬取締官らは、麻薬所持の現行犯人として逮捕したAの自供に基づき、Aに麻薬を譲渡した疑いでXを緊急逮捕すべくX宅に赴いたが、Xはあいにく他出不在であった。しかし、麻薬取締官らは、留守番をしていたXの娘B(17歳)の承諾を得て(家の中を見てもよいかと尋ね、どうぞ見て頂戴という返答を得た)、X宅を捜索し、タンス等から麻薬やAの所持していた麻薬の包紙に相応する雑誌等を発見し差し押さえ、その後、捜索がほとんど終了する頃にXが帰宅したためXを緊急逮捕した。

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