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事実の概要

X(被告人)は、「自動車運転免許試験の試験官である警察官Yらと共謀の上、自動車運転免許証の取得希望者であるAらから、不正の手段により運転免許証を取得させてもらいたい旨の請託を受け、それに対する謝礼の趣旨で供与されるものであることを知りながら現金の交付を受けて賄賂を収受した」との枉法収賄の訴因で起訴されたが、第1審の公判において、検察官から、予備的訴因として、「自動車運転免許証の取得希望者であるAらと共謀の上、Yらに対し、不正の手段により運転免許証を取得させてもらいたい旨の請託をなし、これに対する謝礼の趣旨で現金を交付し、公務員であるYらの職務に関し賄賂を供与した」との贈賄の訴因の追加が請求され、許可された。裁判所は、Xが、訴因記載の日時ころ、訴因記載の趣旨でAらから現金を受け取った事実は認められるものの、XとYらとの賄賂金収受に関する共謀を認めるに足りる証拠はなく、本位的訴因については犯罪の証明がないとした上で、予備的訴因についてXを有罪とし、原審もこの認定を維持した。¶001