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事実の概要

(1)

Aは、小学生を自動車ではね、山中に置き去りにしたことにつき、業務上過失傷害等被疑事件で逮捕・勾留された後、引き続き、殺人未遂被疑事件で逮捕・勾留されたところ、両事件について、弁護士X(原告・控訴人)および弁護士Bを私選弁護人として選任していた。Aが殺人未遂被告事件で起訴されると、XおよびBは私選弁護人を辞任し、Xが国選弁護人として選任された。¶001

(2)

Aは、業務上過失傷害等被疑事件での逮捕翌日から、生きている被害者を山中においてくれば死ぬと思ったなどとして殺意を認める趣旨の供述をし、Aがそのような供述をしているとの報道もされていた。Bは、Aが殺人未遂被疑事件で逮捕された日の接見で、Aに報道内容が真実であるか確認したところ、Aは、「すでに死んだと思ったので、林道に放置した」と答えたため、Aの同意を得た上で、接見直後に受けた報道機関からの質問に対し、Aは被害者が死んだと思って置き去りにしたと主張をしていると答え、これが翌日の新聞等で報道された。¶002