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事実の概要
警察官らは、X(被告人)が複数の共犯者とともに車両で移動して出店荒らしをして回ったと疑われる広域窃盗・建造物侵入事件に関し、組織性の有無、程度や組織内におけるXの役割を含む犯行の全容を解明するための捜査の一環として、平成25年5月23日頃から同年12月4日頃までの約6か月半の間、X、共犯者のほか、Xの知人女性も使用する蓋然性があった自動車とバイク合計19台に、同人らの承諾なく、かつ、令状を取得することなく、GPS端末を取り付けたうえ、その所在を検索して移動状況を断続的に把握しつつ追尾等を行う捜査を実施した。その結果、Xは、上記GPS捜査により現認された犯行を含む9件の窃盗事件により起訴されたが、弁護人は、GPS捜査は、位置情報に関するプライバシーという重要な権利・利益を侵害する強制処分に該当し、かつ、刑訴法にそれを認める規定は置かれていないから、強制処分法定主義に反するものであって違法であると主張し、GPS捜査によって得られた証拠の排除を申し立てた。¶001