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事実の概要
本件被告人は、第一審で賭博開帳図利および賭博の罪で有罪判決を受けた(大阪地判昭和48・9・26〔昭47(わ)3653号〕)。この有罪判決の証拠の標目中には、被告人らが賭博場を開帳した際の寺師、胴師、張り客の名前および寺銭等の計算関係を記載したメモ196枚の写しが含まれていた。¶001
これらのメモの原物は、被告人が属する暴力団O組の別の組員Aらが奈良県議会議員である被害者に拳銃を突き付けて脅迫し、1000万円を喝取したとの恐喝の被疑事実について発付された捜索差押許可状によって差し押さえられたものであった。その捜索差押許可状には、捜索すべき場所として「O連合O組事務所および附属建物一切」、差し押さえるべき物として「本件に関係ある、一、暴力団を標章する状、バッチ、メモ等、二、拳銃、ハトロン紙包みの現金、三、銃砲刀剣類等」と記載されていた。捜査官は、組長O立会いの下でO組事務所を捜索して、O連合名入りの腕章、ハッピ、組員名簿とともに、上記196枚のメモを差し押さえた。¶002