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事実の概要

大分県教育委員会(以下、「県教委」という)の職員らは、平成19年度および平成20年度の教員採用試験において受験者の得点を操作するなどの不正(以下、「本件不正」という)を行った。大分県(以下、「県」という)は、本件不正により本来合格していたにもかかわらず不合格となった者に対し、総額9045万円の損害賠償金(以下、「本件賠償金」という)を支払った。¶001

本件不正の具体的な内容は次の通りである。平成19年度教員採用試験において、当時、教育審議監であったAは、人事班主幹Bに対し、Aが選定した者を合格させるように指示した。その中には、小学校教頭Cおよびその妻である小学校教諭Dから100万円の賄賂を供与され、その子どもを合格させるよう依頼を受けたことによる指示もあった。また、義務教育課長Eも自身が選定した者を合格させるよう、Bに指示した。Bは、受験者の得点を操作したうえで、教育長に合否の判定を行わせ、上記指示に係る受験者を合格させた。平成20年度教員採用試験においても、EはBに平成19年度と同様の指示をした。また、Bは、小学校教頭Fから400万円の賄賂を供与されその子どもを合格させるよう依頼を受け、人事班副主幹Gに指示し、これらの受験者を合格させた。¶002