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事実の概要
Aは、平成20年1月、Y(京都市)の改良住宅(住改2条6項)に入居させるべき者(同18条)として居住していたが、平成25年9月に死亡した。Aの子であるXは、平成22年5月頃からAと同居していたが、京都市長に対し、市営住宅条例23条1項に規定する同居の承認を申請しなかった。本件本訴は、Xが使用権をAから承継したなどと主張して、Yに対し、使用権および賃料額の確認を求めたものである。¶001
第一審(京都地判平成28・3・28民集〔参〕71巻10号2669頁)は、本訴請求を棄却した(市条例24条〔入居者死亡等の場合、同居承認者のみ新たに承認を受けて居住できる〕は、住宅地区改良法29条1項〔公住27条5項・6項〈同居承認規定〉を準用せず〕に違反しない)。第二審(大阪高判平成28・11・17前掲民集〔参〕2691頁)は、「公営住宅の入居者が死亡した場合に、その相続人が公営住宅を使用する権利を当然に承継するものではない」(最判平成2・10・18民集44巻7号1021頁参照)ところ、「死亡した入居者の相続人が改良住宅を使用する権利を当然に承継すると解する余地はない」としたうえで、「民法等による相続の一般法理」は適用されないなどとして、Xの控訴を棄却した。Xが上告受理申立て。¶002