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事実の概要

(1)

宗教団体アレフ(旧オウム真理教)の信者であるX(原告・被控訴人・被上告人)は、平成13年8月1日に名古屋市西区から同市中区に転居し、同月3日、住民基本台帳法(以下「法」という)22条1項に基づき転入届を提出したが、Y1(中区長―被告・控訴人・上告人)は同月20日これを不受理とした。Xは、この不受理処分が違法であると主張してY1に対しその取消しを求めるとともに、Y2(名古屋市―被告・控訴人・上告人)に対し国家賠償法1条に基づき損害賠償を求めた。なお、オウム真理教は1980年代末~90年代に地下鉄サリン事件などの重大事件を引き起こした宗教団体であり、その解散後の2000年に結成されたアレフは、実質的にその後継団体と見られている。¶001