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事実の概要

(1)

地方税法(平成15年法律9号による改正前)は、都道府県税である法人事業税の課税標準を原則「各事業年度の所得」とした上で、これを国税である法人税の課税標準である所得の計算の例によって算定する旨を定めていた(72条の14第1項本文)。法人税法(平成23年法律114号による改正前のもの)57条は、青色申告法人の各事業年度の所得の金額の計算上、過去事業年度に生じた欠損金額を当該事業年度の損金の額に算入すること(欠損金の繰越控除)を認めていた。このため、繰越欠損金を有する単年度黒字の法人につき、繰越控除欠損金額×法人事業税率(事件当時10%程度)の税収減が生じうる状況であった。¶001