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事実の概要

金融業者であるX(原告・控訴人・被上告人)は、Y(被告・被控訴人・上告人)に対する貸金の支払を求めて訴えを提起した。本件訴えにおいて、Yは、本件貸金が不法原因給付であるとの抗弁と、Xに対する反対債権(別件の土地売買契約解除による売買代金返還請求権)により相殺するとの抗弁を主張した。¶001

第1審(青森地十和田支判昭和59・3・1金判759号26頁)は、Xの本件金銭消費貸借契約は公序良俗に違反しないなどとして貸金債権の成立を認めたものの、Yの主張する反対債権である売買代金返還請求権と対当額で相殺されたことによりその全額につき消滅したとして、Xの請求を棄却した。この判決に対してXのみが控訴し、Yは控訴も附帯控訴もしなかった。¶002