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事実の概要

X(原告・被控訴人・被上告人)は、Y(被告・控訴人・上告人)に京都市内の繁華街(河原町)にある木造2階建店舗の階下部分(約27坪)を昭和28年に賃貸し、Yは、そこで果物小売店を営んでいた。契約は2年ごとに更新され、昭和32年12月に賃料は1か月2万5000円と約定されていた。¶001

昭和34年10月、Xは、本件建物を取り壊して、その跡地に高層ビルを建てることを計画し、Yに本件賃貸借契約を解約告知し明渡しを求めたが、Yはこれに応じなかった。そこで、昭和38年6月、XはYに対して、更新拒絶・期間満了を理由に本件店舗の明渡しを求めて訴訟を提起した。その後、本件建物の老朽化による改築の必要、敷地の自己使用の必要(Xの親会社Aのグループ会社を集約させる)などの正当事由に基づく賃貸借契約の解約告知を追加主張した。さらに、昭和39年6月の口頭弁論期日に、予備的請求として300万円の立退料を正当事由の補強条件として、その支払いと引換えに本件店舗の明渡しを求めた。¶002