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事実の概要

A(91歳)は、X会社(原告・被控訴人・1435号事件〔=①〕被上告人・1434号事件〔=②〕上告人)が運行する鉄道路線の駅構内の線路に立ち入り、列車に衝突して死亡し、Xに列車の遅延等による損害を生じさせた。Aは、事故当時、重度の認知症にり患し、責任無能力であった。本件事故以前に、Aの妻Y1(事故当時85歳。被告・控訴人・①上告人)、Aの長男Y2(被告・控訴人・②被上告人)およびY2の妻Bらは、Aの介護について話し合い、特別養護老人ホームに入所させることも検討したが、結局、従来通り、Y1(Aと同居)およびB(A宅の近隣に転居)が在宅介護をすることを決めていた。本件事故は、BがAから離れ、Y1がまどろんで目を閉じている隙に、Aが1人で外出した際に起きたものであった。¶001