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事実の概要
Aは、建物甲を修繕・改装してレストラン・ブティック等が入るビルにすることを計画していた。そこで、甲の所有者Y(被告・控訴人・被上告人)は、昭和57年2月、Aに甲を賃貸した(以下「本件賃貸借」)。本件賃貸借の内容は、賃料月額50万円、期間3年、無断転貸禁止、AがYに権利金を支払わない代わりに甲の修繕等の工事はすべてAの負担とする、というものであった。¶001
X(原告・被控訴人・上告人)は、同年11月、Aとの間で、甲の修繕・改装工事(以下「本件工事」)を合計5180万円で施工する旨の請負契約を締結し、本件工事の大部分を下請業者に施工させ、同年12月初旬、本件工事を完成させてAに甲を引き渡した。ところが、Aは、Xに対し本件工事代金中2430万円を支払ったが、残代金2750万円は支払わず、Xは、同月末頃に事実上倒産した。その後、Aは所在不明となり、Aの財産も判明せず、残代金は回収不能の状態にある。¶002